Peaktoユーザーの中に、これほど才能あふれる写真家がいることを知るのは本当に嬉しいことです。そして、Peaktoが彼らの創作を支えていることを誇りに思います。今回ご紹介するのは、東京を拠点に活動するストリートフォトグラファーのユウゾウ・フジイ。アマチュアながら数々の賞を受賞し、なかでもTokyo Camera Clubの**「3×3」部門**で高く評価されています。
このコンテストで求められるのは、1枚の写真ではありません。9枚の写真を3×3のグリッドに配置した作品です。ひとつのシリーズとして成立するように、各カットが互いに呼応し、対話し、余韻を生み出す必要があります。
偶然性や出会い、瞬間を撮るストリートフォトで、どうやってそんな課題に挑むのか。さらに、NASに保存された8TBものアーカイブの中から、どうやって写真同士の対話を組み立てていくのか。ユウゾウはその難題を、Peaktoの助けを借りて乗り越えてきました。今回は、その制作プロセスを本人に聞きました。
ユウゾウ・フジイに会う:何気ない街角をシネマティックなワンシーンへ
ユウゾウ・フジイは東京を拠点に活動するストリートフォトグラファーです。光と影、雨上がりの路面に揺れる反射、店先のネオンやショーウィンドウの灯り――そうした要素を物語の素材として、シネマティックな空気感をまとった写真で知られています。何気ない街角が、まるで時間が止まったかのようなワンシーンへと変わり、静かで繊細、そしてどこか胸に残る余韻を生み出します。
作品は写真コミュニティ 1x でもたびたび取り上げられ、撮影スタイルはきわめて意図的。待つこと、置きピン(事前にピントを合わせる)、そして鋭いタイミングの感覚に支えられています。形やジェスチャー、空気感がぴたりと重なる瞬間をじっと見極め、見る人に「立ち止まって見たくなる」写真を生み出す。日常の都市風景に潜むささやかな美しさを、そっと浮かび上がらせてくれます。
「3×3」コンテスト:なぜ見た目以上に難しいのか
このチャレンジの舞台は Tokyo Camera Club。日本最大級のSNS写真コミュニティで、約 576万人 のフォロワーと、7,700万枚以上 の投稿作品を擁しています。毎年開催される 渋谷ヒカリエ での展示は、わずか4日間で 2万人超 の来場者を集めます。
数ある部門の中でも、とりわけ目を引くのが 「3×3」 カテゴリーです。ここで求められるのは“1枚”ではなく、正方形9枚を3×3のグリッドに並べた作品。
Instagramに着想を得たフォーマットで、一貫したビジュアル・ユニバース(世界観) を表現することが狙いです。
難しさはルールそのものではなく、バランスにあります。テーマは自由でも、9枚がひとつの作品として成立しなければならない。最終プリントは横幅がおよそ 15インチ と小さく、細部はどうしても埋もれます。だからこそ、縮小しても伝わる 読みやすいシーン、明快で強い画が残ることが重要です。しかも、単に「良い写真」が揃っているだけでは足りません。ユウゾウはこう語ります。
「1枚ずつ良い写真でも、9枚を組み合わせたときに相乗効果が生まれていなければ選ばれません。」
何百もの応募が競い合う中で勝負を決めるのは、稀少な要素――一枚の傑作ではなく、写真同士の“対話” なのです。
Peaktoがユウゾウのシリーズ制作をどう支えるのか
1. アーカイブを一か所に集約する
ユウゾウは写真をNASに保存しています。そのアーカイブは現在 8TB を超えます。Peaktoはこのフォトライブラリに そのまま接続 し、ファイルを移動したり複製したりすることなく、ひとつの画面 で全体をまとめて閲覧できる環境を提供します。さらにPeaktoのAIが各画像のビジュアル内容を解析するため、ユウゾウは**文章での検索(プロンプト検索)**ができ、**類似検索(Search Similar)で近いカットを掘り起こしたり、ポートレート制作時には顔検索(Face Search)**も活用できます。
その結果、何年分にも及ぶ撮影データの中からでも、狙いに合う候補を素早く見つけ出せるのです。
2. 1枚を起点にシリーズを構築する
候補となる写真に手が届く状態になったら、いよいよ「3×3」のプロセスが始まります。すべては1枚の写真――グリッド全体の方向性を決める、その1枚から。
その**“軸(ピボット)”となる写真を起点に、ユウゾウは類似検索(Search Similar)**を使って、同じ空気感、同じモチーフ、あるいは同じ視覚的リズムをもつバリエーションを掘り起こしていきます。そうして、シリーズが少しずつ「噛み合い」始める瞬間を探ります。
フォルダや日付に頼るのではなく、彼が見ているのは写真同士の視覚的なつながり。アーカイブは「場所」ではなく、「意味」で辿れるものになっていきます。
Peaktoは、ユウゾウ自身が探そうと思わなかったバリエーションまで浮かび上がらせます――繰り返し現れる形、ぽつんと立つ人物のシルエット、数か月にわたって反復する空気感。
テーマは、こうして少しずつ輪郭を現していくのです。
彼はコンテストの時間的な条件も活用しています。応募できるのは 過去12か月以内に撮影した写真のみ。Peaktoの**タイムライン(Timeline)**機能なら、膨大なフォトライブラリ全体を期間で絞り込み、直近1年の画像だけにフォーカスできます。
ポートレートの選定では、顔(Visages/Face)ビューを使ってさらに絞り込むことも可能です。この段階になると作業は、単なるファイル管理というよりも――ある感覚やシーン、意図を呼び起こしながら選び取っていく――“記憶をたどる”ようなプロセスに近づいていきます。
3. 9枚のセレクトを確定する
候補の絞り込みができたら、ユウゾウは Lightroom Classic に移り、最終的な並び(シークエンス)を組んで応募用に仕上げます。保存のルールは意図的にシンプルです。
「フォルダ構成:日付、場所、そして時々シチュエーション(夜、雨、イベントなど)」
Peaktoは編集(現像)ソフトの代わりではなく、その前段を担います。セレクト工程を、ただの“仕分け”から創造的なプロセスへ変えてくれるのです。アーカイブを読み直し、組み合わせを試し、9枚が本当にひとつの作品として噛み合うカットを選び抜く――そのための土台になります。
Peaktoがユウゾウのワークフローをどう変えたか
ファイルを探すのではなく、ユウゾウが探しているのは**“意味”**です。写真がどこにあるかを覚える代わりに、それらが一緒になって何を形づくるのかを見つけていく。相互のつながりがすべてを決めるフォーマットでは、その違いが決定的になります。
コンテストでもInstagramでも、強いセレクションを作りたい写真家へのアドバイスは、ソフトウェア以上に意図の話だと言います。
「できるだけキーワードで絞り込んでみてください。自分なりの“文脈”で使えるフィルターを作ってみてください。」
ストリートフォトグラファー ユウゾウ・フジイと歩く東京
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**「ストリートフォトグラファー ユウゾウ・フジイと歩く東京」**は、Shotvoiceに掲載しているロングインタビューです。受賞した3×3シリーズの舞台裏から、偶然の出会いの中で街を読み解く視点、そしてNASに保存された膨大なアーカイブから何千枚もの写真を行き来しながら“視覚的な対話”を組み立てていくプロセスまで、本人の言葉で語ってもらいました。
雨、夜、傘、そして孤独——そうしたテーマに向き合う彼のアプローチとともに、ユウゾウの目に映る東京を伝えるセレクションも掲載しています。繊細でグラフィック、静かな緊張感をたたえた街の表情が見えてくるはずです。作品に惹かれたら、ぜひInstagramで彼を応援し、最新のストリートフォトシリーズもフォローしてみてください。


